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【書評】マクロ経済学のナビゲーター-脇田成

書評

マクロ経済学のナビゲーター

著者:脇田 成

出版社:日本評論社( 2004-12 )

単行本 ( 321 ページ )

ISBN-10 : 4535554137

ISBN-13 : 9784535554139




第二版が出ているようだが、私の手元にあったのが第一版で約10年前に発刊された本である。

脇田氏は、上級マクロへの渡し船として評判が高い

書評

マクロ経済学のパースペクティブ

著者:脇田 成

出版社:日本経済新聞社( 1998-05 )

単行本 ( 384 ページ )

ISBN-10 : 4532131588

ISBN-13 : 9784532131586




の著者であり、本書はその前のステップとして書かれたものだ。



比較的初学者向けには作られているものの、ミクロ経済学の基礎は一通り学んでいないとなかなか理解するのは難しい。
比較的現実の日本経済に焦点があたっており、ただの理論だらけのマクロ経済学教科書にはない臨場感がある一方で、やはり学者が書いただけあって、学問としてのマクロ経済学としての言及は、陳腐な日本経済談義本にはない高級感がある。例えば、日本の経済成長をひとつとっても、新古典派の経済成長モデルから始まり、リアルビジネスサイクル(RBC)モデル、そして内生的成長理論が理論として発展した要因であったり、各理論の得手不得手が丁寧に書かれており、本書を読んだのちに何をより研究すればよいのかが自ずと分かる。



10年前の本とはいえ、トピックスは失われた10年、デフレ論、格差社会であり、今なお解決していない問題ばかり。
今でもこのような問題を正確に把握しているサラリーマンは20%もいないのではないだろうか。
本書は、まずは一度タイムスリップして、マクロ経済学の視点でとらえ直すには恰好の材料だ。

市場経済を信頼する新古典派と、政府の経済介入を不可欠とするケインズ経済学の2つの考え方がまずあり、それがマクロ経済学をミクロ経済学よりも複雑にしてきた。そして、政策担当者や日銀、その他学会では何が主流の考え方で、どちらがどの部分で(短期、長期に分けるなど)有効な施策を導きだせる理論なのかを、教えてくれる。

どうも、マクロ経済学の教科書は読み終わっても腑に落ちないというかスッキリしないことが多いが、なぜスッキリしないかが分かる。

日本経済に焦点が当たっているとはいえ、あくまでも学問としての側面が大半であり、日本経済への処方箋的な時事本ではないことには注意が必要だ。ただ、いままで時事ネタばかりで体系的に学んでいない人にとっては、日本経済をまずは10年前にタイムスリップして論理的に見直すよい機会ではないだろうか。

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