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【書評】The Daily Drucker: 366 Days of Insight and Motivation for Getting the Right Things Done-Peter F. Drucker
- 2011-05-19 (木)
- ビジネス・経済・キャリア
The Daily Drucker: 366 Days of Insight and Motivation for Getting the Right Things Done
著者:Peter F. Drucker
出版社:HarperBusiness( 2004-10-26 )
価格:¥ 1,201
ハードカバー ( 448 ページ )
ISBN-10 : 0060742445
ISBN-13 : 9780060742447
いわずと知れたドラッカーの格言集。
英語だが、難しい英語を使っているわけではないので、1日1話読むこともさほど苦にはならないだろう。
組織の中で働いているもの全ての人にとって、ドラッカーからの明快かつ洞察力に富んだお言葉は、身にしみるはずである。
「企業の社会的責任」について、こうある。
Social responsibility.
Good intentions are not always socially responsible.
A business that does not show a profit at least equal to its cost of capital is irresponsible; it wastes society’s resources. Economic profit performance is the base without which business cannot discharge any other responsibilities, cannot be a good employer, a good citizen, a good neighbor. But economic performance is not the only responsibility of a business any more than educational performance is the only responsibility of a school or health care the only responsibility of a hospital.
Every organization must assume responsibility for its impact on employees, the environment, customers, and whomever and whatever it touches. That is social responsibility. But we also know that society will increasingly look to major organizations, for-profit and nonprofit alike, to tackle major social ills. And there we had better be watchful, because good intentions are not always socially responsible. It is irresponsible for an organization to accept – let alone to pursue – responsibilities that would impede its capacity to perform its main task and mission or to act where it has no competence.
意図がよくとも責任を果たしたことにはならない
資本コスト以上の利益をあげられない企業は、社会的に無責任である。社会の諸資源を浪費している。利益とは、それがなければ他のいかなる責任も果たせず、よき雇用者にも、よき市民にも、よき隣人にもなれないというものである。
だが、経済的な成果だけが企業の唯一の責任ではない。同じように、教育上の成果だけが学校の唯一の責任ではない。医療上の成果だけが病院の唯一の責任ではない。
組織なるものは、従業員、環境、顧客、その他何者に対してであれ、自らがかかわりをもつあらゆるものに対して与えるインパクトについて責任がある。それが組織の社会的責任である。
くわえて社会は、社会の病そのものに取り組むことも求める。ただし、この点に関しては慎重でなければならない。意図がよくとも社会的責任を果たしたことにはならない。本来の目的を遂行する能力を傷つけるような責任を受け入れたり、買って出たりすることは無責任である。能力のない分野で行動することも無責任である。
今回の原発問題にも、国の責任、民間組織(電力会社)の責任の責任論が盛り上がっているが、原発を作り安定供給し、経済成長を後押しするという意図は崇高であるが、その先にある責任はどう取り扱われるのか?
一義的な責任は、電力会社にあることは否定されないだろう。しかし、震度リスクの範囲をどこまでカバーすべきだったかどうかは、国が決めるべきであろう、そして国の指針にしたがって開発・運用していたのであれば、国が責任を持つことは自然ではないだろうか。
もし、純粋な民間企業であれば、リスクとリターンを計測して投資評価をするのは当たり前で、仮に起きる確率がほとんどゼロに近い不測の事態を考慮し、それを上回るリターンは消費者に転嫁されることになっていただろう。
リスク判断をどこかで足きりする事に対して、責められるのか疑問である。
組織に社会的責任はつきものである一方で、権限と責任は表裏一体ははず。
今回の原発問題にも、どこまで電力会社に、どこまでが国家に権限があったのかを明確にすれば、その裏にある責任も明確になるはずである。
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【書評】マクロ経済学のナビゲーター-脇田成
- 2011-03-18 (金)
- ビジネス・経済・キャリア
著者:脇田 成
出版社:日本評論社( 2004-12 )
価格:¥ 2,625
単行本 ( 321 ページ )
ISBN-10 : 4535554137
ISBN-13 : 9784535554139
第二版が出ているようだが、私の手元にあったのが第一版で約10年前に発刊された本である。
脇田氏は、上級マクロへの渡し船として評判が高い
著者:脇田 成
出版社:日本経済新聞社( 1998-05 )
単行本 ( 384 ページ )
ISBN-10 : 4532131588
ISBN-13 : 9784532131586
の著者であり、本書はその前のステップとして書かれたものだ。
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【ブックリスト】ビジネスマン向け統計学の教科書
- 2011-03-17 (木)
- ビジネス・経済・キャリア
失礼な言い方ではあるが、大学時代に何も勉強していなくともこなせる仕事は結構ある。新入社員研修やOJTで学べば大半の業務はこなせる。
しかし、知識として体得していないと、なかなか毎日のルーティンワークでは成長しないのが、会計の知識と統計の知識だ。
ビジネスマンとしては当然身につけておくべき2つの知識であるが、これは勉強してきた形跡があるかないかが一目瞭然の知識である。
統計にいたっては、EXCELのおかげで大半の数値分析は可能だが、とはいえここ1週間で使った関数が10個以上の人はほとんどいないのではないだろうか。
ビジネスマンにとって統計の知識では言語と同様にみにつけておくべき素養でもあると思う。
ビジネスマンは統計学をもう一度ゼロベースで学びなおし、ご自身のこれからの知識武装の1つに加えていくべきだ。
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【ブックリスト】経済数学のおススメ教科書「初級・入門~大学院まで」
- 2011-03-10 (木)
- ビジネス・経済・キャリア
■経済数学を学ぼう。
経済数学は、経済学を学ぶ上で避けては通れない。いや、避けて通っていては経済学を学んだとは言えない。
とはいえ数学のオールジャンルが必要なるわけではない。基本的には、背伸びする必要はなく、今の自分で8割くらい理解できそうな本を一冊と、5割くらいしか分からない本を一冊、後者が8割レベルに達したら、次の本へ進むような確実に手ごたえが分かる本を一歩ずつ読むのが一番の近道だと思う。
では、初級~大学院レベルまでたまに順序が逆になるが、紹介していく。
著者:A.C. チャン K. ウエインライト
出版社:シーエーピー出版( 2010-01 )
価格:¥ 3,465
単行本 ( 480 ページ )
ISBN-10 : 4916092880
ISBN-13 : 9784916092885
著者:A.C. チャン K. ウエインライト
出版社:シーエーピー出版( 2010-12 )
単行本 ( 954 ページ )
ISBN-10 : 4916092899
ISBN-13 : 9784916092892
経済数学の、初級~中級レベルまでの定番の本。しつこいくらいに丁寧な記述で翻訳も非常にきれい。経済学を初めて学び、そして数学が必要だと思い始めたら、すぐに買って読むべき本。数学的な厳密性よりも、まずは経済数学を理解するにはもってこい。
ちなみに、比較的静学問題が多いので、動学モデルについては、同著者の下記もおススメ。
著者:A.C. チャン
出版社:シーエーピー出版( 2006-02 )
価格:¥ 4,200
単行本 ( 373 ページ )
ISBN-10 : 4916092775
ISBN-13 : 9784916092779
動学つながりで、動学モデルで意外にも有名なのが下記の本の付録。非常にコンパクトにまとまってます。しかし、付録だけのために購入するには少し高いので、図書館でコピーしたほうが良い。ちなみに、付録があるのは下巻。原書は上下巻とは分かれていない。
著者:R.J. バロー X. サラ‐イ‐マーティン
出版社:九州大学出版会( 2006-09 )
価格:¥ 5,880
単行本 ( 450 ページ )
ISBN-10 : 4873789117
ISBN-13 : 9784873789118
著者:R.J. バロー X. サラ‐イ‐マーティン
出版社:九州大学出版会( 2006-12 )
価格:¥ 5,880
単行本 ( 447 ページ )
ISBN-10 : 4873789125
ISBN-13 : 9784873789125
さて、話を経済数学全般の話に戻そう。まず、初級・入門というレベルを考えると、
このあたりの方々が対象だろう。とはいえ、経済数学に興味が沸いている(あるいはやる必要がある)人というのは、経済学自体には少しでも触れている可能性が高い。この、経済学はちょっと分かるが、数学が出てくるとページをめくるスピードが極端に落ちるという人を対象に紹介する。
著者:石川 秀樹
出版社:中央経済社( 2008-08 )
価格:¥ 2,625
単行本 ( 243 ページ )
ISBN-10 : 4502660809
ISBN-13 : 9784502660801
著者:資格試験研究会
出版社:実務教育出版( 2008-08-22 )
単行本(ソフトカバー) ( 432 ページ )
ISBN-10 : 4788948370
ISBN-13 : 9784788948372
著者:石川 秀樹
出版社:学習研究社( 2009-03 )
価格:¥ 2,310
単行本 ( 247 ページ )
ISBN-10 : 4053028981
ISBN-13 : 9784053028983
まずは、数学という学問の前に経済学で「計算」するという問題を一通り頭に入れておくと、経済数学への興味も増大するものだ。計算問題を解いておけば、最適化問題でも微分でも、この問題の進化版なのだと理解度が高まる。公務員試験用のミクロ経済学あたりは、古本でもたくさん出回っており、頭の柔軟体操に利用価値は高い。
上述の本達は、必要な数学的知識は、小学校・中学校の知識も第1章からていねいに解説しており、少しの数学知識と経済学をうまく融合している。大学での教科書指定は無いかもしれないが、読みやすいのでおススメ。これだけだと、マクロ・ミクロの初級や公務員試験程度でしか通用しないと思われるので、この本の次は必ずステップアップ用の本は買うべき。(線形代数や確率は扱ってない)
通勤通学で読むならポケットサイズが好ましい。毎日読まずとも、重くないのでバッグの底にでも入れておいたらよい。
著者:佐々木 宏夫
出版社:日本経済新聞社( 2005-12 )
価格:¥ 872
新書 ( 206 ページ )
ISBN-10 : 4532110823
ISBN-13 : 9784532110826
所詮文庫は文庫、ページ数の制約上教科書にはなりづらい。今まで紹介した本より少し厳密にしたら
出版社:勁草書房( 2000-12 )
価格:¥ 3,360
単行本 ( 358 ページ )
ISBN-10 : 4326547723
ISBN-13 : 9784326547722
著者:水野 勝之
出版社:中央経済社( 2004-03 )
価格:¥ 3,570
単行本 ( 235 ページ )
ISBN-10 : 4502651303
ISBN-13 : 9784502651304
こんな本になる。
厳密とはいえども、例題も多いし練習問題も多いので、覚えたことを実践するにはちょうど良い。『テキスト経済数学』のほうが例題は少ない。
ここまでの本を仮にトントン拍子で読み終わるようであれば、『経済セミナー』誌に約一年にわたって連載した「経済数学Step by Step」を改訂した下記も定評がある。
著者:三土 修平
出版社:日本評論社( 1996-01 )
価格:¥ 3,360
単行本 ( 306 ページ )
ISBN-10 : 4535550441
ISBN-13 : 9784535550445
ちょっと古い本だが、経済数学で必要な数学的知識は何年たってもあまり変わらないので、手元においておくべし。
これが通読できれば(別に暗記は必要ないが、理解できていれば)、大学院レベルに限りなく近い学部上級生といったところか。
『経済セミナー』つながりで言えば、
著者:西村 和雄 おやまだ 祥子
出版社:日本評論社( 2003-09 )
価格:¥ 1,785
単行本 ( 250 ページ )
ISBN-10 : 453555353X
ISBN-13 : 9784535553538
こちらも連載されていたものである。例題なんかはしつこいくらい出てくる。この本のように、例題を解いて実力をつけるというのは、数学全般に言えることで、経済数学も同じである。もし、厳密性を重視するよりは試験対策、資格取得対策用に経済数学を学ぶのであれば、
著者:エドワード・T. ドウリング 川島 康男 Edward T. Dowling
出版社:シーエーピー出版( 1995-12 )
単行本 ( 235 ページ )
ISBN-10 : 491609204X
ISBN-13 : 9784916092045
著者:エドワード・T. ドウリング Edward T. Dowling 大住 栄治 川島 康男
出版社:シーエーピー出版( 1996-09 )
価格:¥ 3,262
単行本 ( 237 ページ )
ISBN-10 : 4916092058
ISBN-13 : 9784916092052
この上下巻あたりもおススメ。
私は数学者になるんじゃない、経済学を学ぶんだ、ということであれば、この本でガリガリ例題を解いたほうがいいと思う。
数学者ではないとはいえ、もう少し厳密だったりしたら嬉しいという欲求に駆られたり、経済学の勉強・研究上必要な数学領域だけでいいからもっとコムズカシイのがいいと思ったとき、「最適化(Optimization)」については勉強することから始めよう。つまり、制約の中でもっとも効率的な資源配分を実現するための手法を取り扱うことだ。特にミクロ経済学では消費者理論、生産者理論でもどこでも出てくる。
初級卒業で、まずは最適化問題に取り組むなら、
著者:西村 清彦
出版社:東京大学出版会( 1990-12 )
単行本 ( 181 ページ )
ISBN-10 : 4130420372
ISBN-13 : 9784130420372
著者:アヴィナッシュ・K. ディキシット
出版社:勁草書房( 1997-05 )
価格:¥ 3,360
単行本 ( 224 ページ )
ISBN-10 : 4326930276
ISBN-13 : 9784326930272
この2冊、どちらも微分・積分や線形代数学の最低限度の概念を前提しているので、初学者卒業後だがおススメではある。
さてさて、経済学に限らず経済数学でも教科書で定評があったり良書といわれているのは、やはり洋書が多い。
翻訳が汚かったり、上下巻に分かれていて逆に洋書より高くなっている本もある。だったら最初から洋書でいいでしょう。
経済数学としての良書、かつ英語の記述にも定評のあるものをピックアップ。
Fundamental Methods of Mathematical Economics.
著者:Alpha C. Chiang Kevin Wainwright
出版社:McGraw-Hill( 2005-05-05 )
価格:¥ 3,233
ペーパーバック ( 800 ページ )
ISBN-10 : 0071238239
ISBN-13 : 9780071238236
変数って何だ?定数って何だ?から始まって、最後は微分方程式まで扱うほどの初学者~中上級者まで幅広くカバーしている。
そう、これが最初に紹介したAlpha C. Chiangの『現代経済学の数学基礎』の原書である。恐らく古本も結構出回っているはずなので、日本語も英語も両方読むのも良い。特に経済数学・経済学に特有の英語訳を覚える意義はかなりある。
著者:Lawrence E. Blume Carl P. Simon
出版社:WW Norton & Co( 2010-07-13 )
価格:¥ 5,303
ペーパーバック ( 953 ページ )
ISBN-10 : 0393117529
ISBN-13 : 9780393117523
こちらは、動学的な最適化までは取り扱っていないが、非常に丁寧だと定評がある本。翻訳はされてないはずだが、英語も同じく初心者という人でも、じっくりゆっくり読めば仮に1年間かかっても経済数学の初歩~中級までは理解できたと胸を張って言えるだろう。
この1000ページ近くある本を読み終わった頃には、相当な英語力も同時についているはずだ。
次に、少し背伸びをしてみると、
Mathematical Methods and Models for Economists
著者:Angel de la Fuente
出版社:Cambridge University Press( 2000-02-15 )
価格:¥ 3,898
ペーパーバック ( 848 ページ )
ISBN-10 : 0521585295
ISBN-13 : 9780521585293
この本は、スタートが集合位相や線形代数あたりなので別の本で中級レベルまでは頭を筋肉質にしておく必要がある。Simon-Blumeと同じか、いやもっと難しい。ただ、練習問題には全て解答がついているので、独習にはもってこいだ。
もし最適化問題だけ洋書でもかまわないということであれば、
A First Course in Optimization Theory
著者:Rangarajan K. Sundaram
出版社:Cambridge University Press( 1996-06-13 )
価格:¥ 3,280
ペーパーバック ( 375 ページ )
ISBN-10 : 0521497701
ISBN-13 : 9780521497701
証明も豊富でいいのだが、さてこれを学んだからといって経済問題が解けるかといったら、そこはまた別の知識が必要だ。つまり、経済学のセンスはここでは得られないのが残念。でも、良書とは言われている。
次は、中級の本は全て読み終わった頃には、実体経済に興味が沸くか、あるいはより厳密な数学に興味が沸くか、別れ道に差し掛かったとしよう。もし、後者の場合にはこれから紹介する本をどれでも一冊手にとってみよう。
著者:岡田 章
出版社:東洋経済新報社( 2001-09 )
価格:¥ 3,360
単行本 ( 283 ページ )
ISBN-10 : 4492312986
ISBN-13 : 9784492312988
著者も読者も、入門という言葉は使ってはいけない。「大学レベルの数学を基礎から本格的に身につけたいと思っている社会人の方々を対象に」というように、この本は学部生しかも学部生の数学レベルである。経済理論を徹底的に学び、大学院まで考えているならおススメ。というより、大学院レベルといっても良い。買って棚に眠るようであれば、図書館コピーでよい。
著者:神谷 和也 浦井 憲
出版社:東京大学出版会( 1996-01 )
価格:¥ 3,569
単行本 ( 375 ページ )
ISBN-10 : 4130421018
ISBN-13 : 9784130421010
こちらも、かれこれ10年以上も前の本であるが、いまだに色褪せずに定評のある経済数学の本。定理の証明は非常に厳密であり、岡田章氏著作よりもう少し厳密かと思える。
タイトルの入門というのは一体誰の事だ?と思う本。きっとこれが入門だと思って読んでいる人が一人でもいるのか不思議。
番外編も紹介しよう。
経済学で出る数学 高校数学からきちんと攻める 2008年 10月号 [雑誌]
出版社:日本評論社( 2008-09-29 )
雑誌 ( ページ )
ISBN-10 :
ISBN-13 : 4910035461089
この本は、網羅性には乏しいが、微積分や線形代数だけにやたらページ数を割いている、弱点克服には使える。
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【書評】ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件-楠木 建
- 2011-02-03 (木)
- ビジネス・経済・キャリア
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
著者:楠木 建
出版社:東洋経済新報社( 2010-04-23 )
価格:¥ 2,940
単行本 ( 518 ページ )
ISBN-10 : 4492532706
ISBN-13 : 9784492532706
なかなか経営本など読まないのだが、今年は数冊読んでみようと思って読んだ一冊。
本書で一貫して主張しているのは誤解を恐れずに言えば、「戦略」とは「面白話」であるということだ。
巷で溢れる戦略染みたハウツー本とは違い、徹底的に「戦略」とは何かを「何ではないか」という視点からも交えて説明してくれる。
著者も言っているが、ものすごくしつこい。同じ事を理解させるまで言い続ける。でも、同じ表現を使わずに右から左からと、角度を変えて教えてくれるから、理解が進む。
戦略とは、誰が聞いても面白いストーリーなんだという点は非常にためになる。
どうしても、戦略という言葉は何とでも言い換えられて、それこそタスクリストを束ねてみたり、スケジュール管理をしたり、そこらに落ちてるフレームワークに自社の言葉を入れてみたりと、どうしてもそれっぽいで終わってします。
それが、因果論理の大きなストーリーになってる事はほとんどない。ただのやってる感、戦略っぽさだけが出てるだけだ。
でも、それを因果論理のストーリーにし、太くて長い物語となって瞬間、戦略は動き出す。
このストーリーとしての戦略が著者だけの全く新しい論点かといえばそうではないでしょうし、ここで取り上げられたガリバーやスターバックスの戦略と結果が事後的な示唆である以上、結果論的な印象はぬぐえない。
発行時点で結果の出ていない企業の戦略をアカデミックな視点からいくつか指摘してもらいたいところではある。
本書への「面白いストーリー=戦略として成功とは限らない」という批判がチラホラみかけたが、戦略として成功しているものには面白いストーリーが描けているというだけで、この批判こそ因果論理が間違っている。
ましてや、面白い=笑えるというわけじゃなく、腑に落ちる、因果論理に飛躍や矛盾がないという意味で捉えたらもっと素直に読めるのではないだろうか。
副題にもあるが、戦略の条件としてストーリーとして語れるような戦略は面白い、これには間違いないだろう。
サラリーマンも学生も、まずは素直に読むべき一冊。
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