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【書評】偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する-武田 邦彦

書評

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

著者:武田 邦彦

出版社:幻冬舎( 2008-05 )

価格:¥ 777

新書 ( 230 ページ )

ISBN-10 : 4344980808

ISBN-13 : 9784344980808




あまりエコ活動に参加しておらず読み始められなかったが、先日家電量販店のフロアーが緑一色エコのオンパレードだったのをみて、読み出した。

エコ商品というのは、当初は地球環境に優しい商品という意味だけで使われていたのが、
今やエコ商品は、緑と白の看板を背負った販促ツールと化している。地球に優しいのはわかるが、まるで金儲けに使われているようなエコ活動を垣間見てページをめくる決心がついた。

著者の武田邦彦氏は、工学者で専門は資源材料工学である。
「科学者」として「環境を科学から見る」というコンセプトのもと書かれたものであるが、刊行されて約1年たったが本書への批判は少なくない。

本書の主張は、
地球に優しい生活いわゆるエコ生活は、じつは消費者にとって無駄であるということ。
地球環境問題の定説に、真っ向から反論した独自の主張を唱える。

例えば、
「レジ袋をやめエコバッグにすると、かえって石油の消費が増える」
「冷房を28℃ に設定しても温暖化は止められない」
「多額の税金と手間をかけて分別したゴミ、そのほとんどが焼却される」
「リサイクル料を業者に払った廃家電は、違法に中古で流れている」


我々消費者にとっては、いつの間にか習慣となっているエコ活動が一体なんだったのかと疑いたくなるような内容である。

さて、そういえばいつから冷房温度を28度にしようと思い始めそれが習慣化されたのか?どうやらエコは地球にいいらしい、そしてその手段として冷房温度を上げ、ごみは分別し、エコバッグを持つべきだということを新聞・テレビがやたらと垂れ流し続けたおかげで、「エコ活動は消費者の義務だ」という構図が刷り込まれ、半ば盲目的に、鵜呑みにしていた。

本書の最大の功績は、「そんなエコ活動を盲目的に信じていた消費者を一度立ち止まらせた」ということだ。

科学的根拠に乏しいという批判もある、数字的根拠が欠けているという批判もある、しかしそれは本書にとって小さな欠陥でしかない。
本書は、日本全国津々浦々で叫ばれる盲目的なエコ普及活動に一石を投じた。
国家主導でエコ活動が推進される中で、定説に異論を唱えるのは非常に勇気あることだと思う。

本書をそのまま鵜呑みにしては、エコ活動を妄信したのと同じことであり意味が無くなる。地球環境を保全する目的には賛同し、その手段としてどのような活動が有効かどうかは自ら考えるべきである。

地球環境問題、今の世に生まれたからには避けては通れない。一度立ち止まって考えなくてはならないと思える一冊。



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