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【書評】告白-湊かなえ


告白
この物語は、「この中に私の娘を殺した犯人が二人います」と我が子を殺された女教師の教室内での衝撃の告白から始まる。このひとつの事件を「級友」「犯人」「犯人の家族」のそれぞれの立場から「語らせる」「告白させる」モノローグ形式。
※モノローグとは、「独白」の意味。
本屋大賞を受賞した作品だが、本屋大賞にすべきではなかったと思う。
一般読者が本屋大賞に期待するのは、「え?こんな本あったんだ。意外と面白いじゃん!」であって、何もせずとも売れそうな本を箔付けするための賞ではない。
つまり、この本は何もせずとも売れたであろう本ということ。
我が子を殺された女教師は、反社会的であり反倫理的な復讐方法を告白する。この衝撃の告白に周辺の人間は翻弄され、そしてその内面を独白・告白する。
この復讐方法というのは、エイズウィルスでありこれを学校給食に混ぜそれを犯人は飲んだのだという。この設定が、本書に批判的な読者の非難の的である。実際のHIV患者を冒涜している!と。
しかし、著者はそれくらいの批判を見据えて、それでもなお設定したのだと思う。
それ以外にも、陰鬱であったり一方的なストーリーという意味で酷評される事も多いが、ただ文章構成や筋書きは絶賛されている。
私は、この手の本をあまり読まないので、他の本との比較はできないが、文字を読ませる力は大いに感じた。そして読み終わったあの感覚は、他では味わえない。
ハッピーエンドで、感動的で、愉快な小説だけではなく、このような後味はちょっとした読書スパイスにちょうどいい。

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【書評】贖罪-湊かなえ



『告白』に続く湊かなえ作です。告白なんかと、物語のリズムは似ている気がします。

誇るべきところは空気のきれいさ、夕方六時にはグリーンスリーブスの音色。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺人事件。犯人と目される男の 顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる――これで、私の罪は、償えたので しょうか? 衝撃のベストセラー『告白』の著者が贈る、新たな傑作。

とある小学校で起こった少女殺害事件を1つのキーとして、その事件周辺の登場人物のそれぞれの人生をつづった小説です。タイトル通り、罪を償うということはどういうことか、それを4人+αの人生を通じて徹底的に追求します。

告白もそうですが、相変わらず負の連鎖です。この4人の人生を負の連鎖で追って追って追いかけて、最後にひとつの贖罪がおわる。そんな物語です。

ついでに、1人称で語られる文章構成も告白と同じです。でも、やっぱり何かが違う。読み終わった感覚も、読んでいる最中のだるさも同じ、でも今回は「たった一つの言葉」の重みがある。告白には実行した行動があったけど、今回は言葉が主導的な役割を果たす。

言葉の重みをかみしめながら、はぁ結局最後まで読んでしまったと感じるはず。

装丁が、ブルーべりーとイチゴのミックスのような絵なもんで、つい先日知人に「それ、何の漫画ですか?」といわれました。

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