書評ホーム > 暮らし・健康・子育て > 【書評】新 冒険手帳―災害時にも役立つ!生き残り、生きのびるための知識と技術-かざま りんぺい

【書評】新 冒険手帳―災害時にも役立つ!生き残り、生きのびるための知識と技術-かざま りんぺい

書評

新 冒険手帳―災害時にも役立つ!生き残り、生きのびるための知識と技術

著者:かざま りんぺい 佐原 輝夫

出版社:主婦と生活社( 2006-03 )

価格:¥ 1,000

単行本 ( 239 ページ )

ISBN-10 : 439113120X

ISBN-13 : 9784391131208




阪神淡路大震災が起きて、もう15年も経つ。淡路島北部の明石海峡を震源とする甚大な被害をもたらした震災である。

これは事件ではなく、自然災害であるため、加害者はいない。だから「もうこのようなことが起きないように厳罰を」とはいかない。
つまり、自然の気分次第では繰り返される可能性はある。ましては、被害にあう範囲、被害の度合いは人間が起こす犯罪の比ではない。


# 死者、重傷者、軽傷者合わせて5万人。
# 避難人数 : 30万人以上
# 住家被害 : 全壊104,906棟、半壊144,274棟、全半壊合計249,180棟(約46万世帯)、一部損壊390,506棟
# 火災被害 : 住家全焼6,148棟、全焼損(非住家・住家共)合計7,483棟、罹災世帯9,017世帯
# その他被害 : 道路10,069箇所、橋梁320箇所、河川430箇所、崖崩れ378箇所


という甚大な被害状況である。

このような状況では、生活するレベルではなく生き延びるレベルに水準は落ちる。
水道を捻れば水がでる、コックを回せば火がつく、コンビニでワンコインも出せば満腹になる、これが出来ない生活を想像できるか。

海水や泥水から飲み水を作る、空き缶でご飯を炊く、うさぎの皮をはいで食べるなど、「何もない」状況で生き延びる術を会得しようじゃないか!というのが本書のコンセプトである。

特段、災害時に生き残る方法に限った話ではなく、遭難時であれ、キャンプ中であれ、道具や機械など現代文明に頼らず生きていくための知識と技術である。

人間は、唯一火を恐れない動物だといわれている。しかし、ライター以外で火を熾せる人がどれくらいいるだろうか?
現代人の中で何人が木から、斧・ナイフ・いかだなどを作れるだろうか?

生きているうちに大震災で家屋崩壊する確率は限りなく低いだろう。その現象に備えるために本書を読んで火を操る練習や狩りの練習をする必要があるかどうか。それは個々人の判断だが、自分がどれだけ道具に頼って生きているかを知るにはもってこいだ。

またロープの結び方やナイフの使い方、薪の燃やし方や魚のさばき方、地図の見方や救命救急法など、アウトドアライフにそのまま役立つ情報も豊富に扱っている。仮設トイレの設営方法は、本書以外で見たこともない。

いくら文明に逆行するとはいえ、ペットボトルを活用したりと、縄文時代に戻るわけではないところが「新」冒険手帳である。

災害に備えるのは、最近でもよくメディアで取り上げられているが、それはあくまでも道具を揃えるだけだ。
災害用に水を○○リットル、保存食を○日分と、全てモノを備えるだけで、誰かが助けにきてくれるという大前提に立脚している。

しかし、本書はレスキューが来ないという前提だ。自分で水を作れと、自分で食料を確保せよと、自分で生き延びろというわけだ。


道具に頼った人生を捨てたいと思える一冊。


Home > 暮らし・健康・子育て > 【書評】新 冒険手帳―災害時にも役立つ!生き残り、生きのびるための知識と技術-かざま りんぺい

Return to page top