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【書評】自殺のコスト-雨宮 処凛

書評

自殺のコスト

著者:雨宮 処凛

出版社:太田出版( 2002-01 )

価格:¥ 1,260

単行本 ( 237 ページ )

ISBN-10 : 4872336445

ISBN-13 : 9784872336443



「後悔だらけの人生で、死んでまで後悔したくない人のための「自殺の費用対効果」バイブル」




とあるが、どちらかというと自殺願望者本人よりも自殺願望がありそうな家族がいる人向けだ。「その後」を考えたくないから、自殺するのであってこの本を読んで自殺を躊躇うことはないだろう。とはいえ、決して本書は自殺を助長・扇動するようなものではない。

本書は、自殺をするという行為(未遂を含め)によって発生するコストを徹底的に洗い出している。
基本経費として、社会保障や年金・生命保険、死後の借金の清算などについて。後半では自殺の手段別(首吊り、薬物)に薬の購入にかかるコストや、事後の補償などについて「この手段で、こう死んだら、誰がいくら払う必要があるよ」と教えてくれる。

本書を読む前には、ただ漠然と新幹線には飛び込んだら賠償責任がありそうだ。病死だろうと自殺だろうと葬儀費用は変わらないだろう。生命保険は自殺者には適用されないんじゃないのだろうか。などと考えていた。

しかし、JRと私鉄では賠償額に大きな開きがあることがわかる。また、自殺者ということで葬儀費用が高額になる場合もあるという。また、生命保険に入った日から2年後の自殺であれば適用されるという。つまり、2年前から保険金目当てで加入する自殺意思の強い者はいないだろうという保険会社の見解だ。

ケーススタディも豊富だ。
賃貸マンションに住んでいた青年、その父が部屋で自殺した。その後半年間、青年は血まみれの部屋に住まわされた。
また、事故死を装って保険金を騙し取ろうとした老夫婦の無駄死になど、これが現実?と思わせるような現実を突きつけられる。

自らの価値がないから、自殺するという人は一度立ち止まって考えてほしい。
どのような死に方だろうと自殺によって遺族は、相当額の出費は免れないということを。


自殺しようとするものはもちろんであるが、一家に一人でいいから本書を読んで家族の自殺を止める原動力になればいいなと思う一冊。

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