- 2010-02-01
- 新書・文庫
F1ビジネス―もう一つの自動車戦争 (角川oneテーマ21)
著者:田中 詔一
出版社:角川書店( 2006-05 )
価格:¥ 780
新書 ( 220 ページ )
ISBN-10 : 4047100455
ISBN-13 : 9784047100459
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時速ゼロから100キロの加速に要する時間は、たった2.5秒
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時速200キロから1.9秒後には、完全に停止できる
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F1ドライバーは、1レース平均2600回のギアチェンジを行う
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ドライバーのコックピットの温度は平均50度
これがF1の世界のごく一部である。ただの車の競争とは違う。尋常ではない非常識な性能を持つ車の戦いであり、スポーツという名のもとに巣食う巨大ビジネスである。
さて、F1の帝王ミハエル・シューマッハ。彼が乗ればどんなF1カーでも優勝できるのか?F1を知るものなら一度は思ったことだ。
しかしF1の速さを決定する要因は、
- タイヤ30%
- 車体30%
- エンジン20%
- ドライバー20%
なのである。それに加えて、それを効率的に組み合わせるマネジメント力がチームとして必要なのだ。
そのチームは約100人体制のプロ集団であり、グランプリ開催中、世界中を渡り歩いている。そして幹部に至っては、ドライバーと同等ともいえる報酬を得ているという。花形ドライバーへの報酬以外へも相当なお金が動く世界、それがF1だ。1秒のタイムを縮めるのに、100億かける世界がF1なのだ。100億かけてでも縮めたい、そんなエンジニアの技術的興味に加え、1秒を縮めることによって得られるリターンがそれを上回るのだ。
F1という世界が巨大産業へとなったのが、F1の帝王バーニー・エクレストンの存在だ。F1を商業化に成功したのは彼の功績によるところが大きい。F1を初めてテレビの放映権の対象とし、世界各国のサーキット間でF1開催権を競わせ、ゲームソフトのライセンス料やサーキット内の看板広告を販売し、各チームのレースごとの機材運搬を組織化、スタッフの移動の手配をするトラベルエージェントなど、F1のすべてのお金の動きが彼の管理下にある。
スポーツと呼ぶことに異論はないが、その割には競技人口があまりにも少なくないか?と思う。
これほど競技者と観戦者の絶対数に開きのあるスポーツも珍しい。
やれもしない競技になぜ熱狂するのか?
速い車を作って、速い車を走らせる。この簡単な競技の裏には、個人ではなく企業間競争の色合いが強い。
この企業同士の戦いにこそF1の真髄がある。
本書では、F1チームの遠征費用の裏話やフェラーリの裏切り行為、チーム名の付け方などF1に直接携わってきた人間にしか分からない鋭い洞察があふれている。
何度もF1番組を見るより、この本を読んだほうがはるかにF1を知ることができる。
ジェンソンバトンのかっこいい笑顔、その裏にある企業の熾烈な戦いを垣間見ることができる一冊。
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