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【書評】カッコウの卵は誰のもの-東野圭吾

書評

カッコウの卵は誰のもの

著者:東野 圭吾

出版社:光文社( 2010-01-20 )

価格:¥ 1,680

単行本 ( 357 ページ )

ISBN-10 : 4334926940

ISBN-13 : 9784334926946




量産作家の東野圭吾氏の2010年初の単行本。
北海道や新潟のスキー場及びその周辺を舞台とし、スキー選手の親子を中心とした3家族による殺人犯探しのサスペンス。親子の絆とは何だろう、考えさせられる。捕らわれてはいけないと。

スキーの元日本代表・緋田には娘・風美がおり同じくスキーでオリンピックを目指す。当然血のつながった親子なら、運動能力の高さは継承するのではないか?という着眼から、遺伝子レベルからスターを発掘しようという遺伝子研究を行う研究所がその親子に近づく。しかし、緋田の妻は風美が2歳になる前に自殺しており、しかも流産していた。では、風美は誰の子なのだ?

そんなとき、風美の父親であろう人間が緋田にアプローチをしかける。その意図は分からない。娘を取り戻すためなのか。あるいは・・。

父親と娘の絆には、血のつながりに勝るとも劣らない愛情が溢れている。カッコウは託卵という習慣があり、カッコウの卵は誰のものというタイトルから血のつながっていない親子の物語であるのは容易に想像がつく。
しかし、著者はそのような想像は折込ずみで展開する。本当の親は誰なんだ?という疑問ばかりに集中してしまったが、実はそれは著者の意図だ。本当の親を探しているうちに、伏線は縦横無尽に張り巡らされていた。

気づけば、最後の意外な終着点。

親が子を思うこと、子が親を思うこと。そして何をしてあげることが幸せなのか。
3つの親子のそれぞれの結末は、意外であり、そして感動である。

親子は「血」によってのみ決まるという半ば当たり前のことに捕らわれると、視野はあまりにも狭いことに気づかされる。

いつか娘が生まれたら、もう一度読みたい親子愛が溢れる一冊。

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