- 2009-08-06
- 小説
告白
この物語は、「この中に私の娘を殺した犯人が二人います」と我が子を殺された女教師の教室内での衝撃の告白から始まる。このひとつの事件を「級友」「犯人」「犯人の家族」のそれぞれの立場から「語らせる」「告白させる」モノローグ形式。
※モノローグとは、「独白」の意味。
本屋大賞を受賞した作品だが、本屋大賞にすべきではなかったと思う。
一般読者が本屋大賞に期待するのは、「え?こんな本あったんだ。意外と面白いじゃん!」であって、何もせずとも売れそうな本を箔付けするための賞ではない。
つまり、この本は何もせずとも売れたであろう本ということ。
我が子を殺された女教師は、反社会的であり反倫理的な復讐方法を告白する。この衝撃の告白に周辺の人間は翻弄され、そしてその内面を独白・告白する。
この復讐方法というのは、エイズウィルスでありこれを学校給食に混ぜそれを犯人は飲んだのだという。この設定が、本書に批判的な読者の非難の的である。実際のHIV患者を冒涜している!と。しかし、著者はそれくらいの批判を見据えて、それでもなお設定したのだと思う。
それ以外にも、陰鬱であったり一方的なストーリーという意味で酷評される事も多いが、ただ文章構成や筋書きは絶賛されている。
私は、この手の本をあまり読まないので、他の本との比較はできないが、文字を読ませる力は大いに感じた。そして読み終わったあの感覚は、他では味わえない。
ハッピーエンドで、感動的で、愉快な小説だけではなく、このような後味はちょっとした読書スパイスにちょうどいい。
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